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家元あいさつ


《上田宗冏》
 ◆茶の湯は一服のお茶を点てて飲むという単純な行為です。
 点てる方も飲む方もそれぞれが決められた型を行うことにより、ひとつの静かで充実した調和の場を作り上げるのです。
 その場でお茶を喫する時、自然に自分の心を静かに見つめることができます。
 上田宗箇流の流祖 、 上田宗箇の生きる時代は戦国時代後半でした。その時代は戦 ( いくさ ) に明け暮れ、明日の命の保証もない毎日でした。確かなものは、今ここに茶を点てている自分であり、茶をいただいている自分でした。今しかないのです。常に〝終わる命〟という思いで生きていました。しかし武将の茶は、はかなさ、空しさに流れるのではなく、その奥には静かなる心の充実がありました。
 現代に生きる私たちには日々の戦はありませんが、社会に出て人と向き合うことは常に緊張を伴うものです。その意味では戦国の武将たちと今に生きる私たちには精神的に共通するものがあります。
 私のところにお茶の稽古にお越しになる多くの方が日々の緊張から離れて茶の世界(空間)に入られ、静かなる心の充実を得て帰っていかれます。
 今、私達は社会環境の大きな変化により男性も女性も今まで経験したことのない忙しい日々を過ごしています。日常生活を大切に楽しく過ごすというごくあたり前のことも意識し、互いに努力しなくては成り立たない時代を迎えました。
 茶の湯は一つ一つが日常生活に楽しく生かせるものばかりです。日頃住んでいる部屋も道具も少し手を加えるだけで、生き生きとなることを自覚出来ます。立振舞い、言葉づかい、ちょっとした気配り、花や器や料理にもより一層興味が湧いてきます。
 日常生活の大切さ、楽しさを実感するには茶の湯を学ぶことが一番近道と心より思っています。

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