和菓子の種類

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 ◆お茶に使われるお菓子(和菓子)は、茶道において濃茶や薄茶とともに食べる物で、味覚はもとより美的鑑賞としても質の高さをも期待されて発達した物です。
 通常、濃茶では生菓子(主菓子)を、薄茶では干菓子(乾菓子)を供されます。
 水分量10%以下の和菓子を干菓子、40%以上の和菓子を生菓子、(羊羹は30%以上)、その中間を半生菓子といい、和菓子は大きくこの3タイプに分類されます。
 現在では砂糖、米、小麦、小豆など、比較的少ない主原料から多くの和菓子が生み出されます。砂糖を用いるようになる以前には、甘い嗜好品といえば果物であったことから、和菓子の持つ味覚の繊細さを窺い知ることができます。また、和菓子には芸術作品としての側面も要求されていて、夏の和菓子であれば、涼を感じさせるために葛を用いて透明感のある作品に仕上げるといったように、季節感の表現一つにも材料を吟味し作られています。
 茶会において、お菓子の銘や味、風情も大きく関わっていて、お客様をもてなす上で重要な役割を担っています。

和菓子の分類

生菓子

1.餅物(餅、おはぎ)
2.蒸し物(蒸し饅頭、蒸し羊羹、蒸しカステラ、ういろう)
3.焼き物(どら焼き、きんつば、まんじゅう)
4.流し物(きんぎょく、羊羹、水羊羹)
5.練り物(練り切り、こなし、求肥)
6.揚げ物(あんドーナツ、揚げ月餅)

半生菓子

1.あん物
2.おか物(もなか、すはま)
3.焼き物(草紙)
4.流し物
5.練り物

干菓子

1.打ち物(打ち物種、落がん、片栗もの、雲きん種、懐中しるこ)
2.押し物(塩がま、むらさめ)
3.掛け物
4.焼き物(落し焼き、丸ボーロ)
5.あめ物(有平頭、おきなあめ)

生菓子

半生菓子

干菓子

 ちなみにお菓子と一緒に写真に写っている木製の楊枝は「黒文字」と呼ばれる古来より茶席においてお菓子をいただく時に用いられてきた菓子楊枝です。「黒文字」というのはクスノキ科の木の名前で、樹脂や材に独特な香りがあります。「黒文字」よりも大きめに切り出した材を用いて、お菓子を取る箸にする場合もあります。どちらの場合でもお客様に出す時は直前まで濡らしておくのがお客様へのもてなしとして通例になっています。
 主菓子は基本的には(薯蕷等を除く)「黒文字」を使っていただきますが、干菓子は手でつまんで食べても不作法にはなりません。

●協力●

(有)風雅堂 / 広島市中区富士見町 6-12
Tel.082-241-2325

和菓子 みよしの / 広島市中区八丁堀8-3
Tel.082-221-3441
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