上田家伝来茶入の仕覆 裂地の一部から復元
上田家に伝来する茶入「唐物茶入 上田大海」に古くから添っている仕覆を元にこの度復元することができました。裂地の名は「鳥襷宝尽し(上田鳥襷)」。元となった裂地は痛みがひどく、裂のみを和紙にくるんで保存してありました。上田家に残る古文書「宗箇様御聞書」に記述のある緞子の三名物(リンポウ、オウヲウ、トリダスキ)の裂地の内、現存している唯一の物で、鳥襷の裂地の中でも、上田鳥襷が復元されるのは史上初めて。 京都の斎藤貞一郎氏に復元を依頼。染料は京都工芸繊維大学に分析を依頼しました。半年あまりをかけ、染織方法や糸組みなどを分析して頂き、復元となりました。斎藤貞一郎氏は「おそら く中国・明時代に織られた物で500年程前のものと推測される。」と言。 今後、仕覆として仕立てあげ、2011年年末~2012年三月末まで東京・広島で開催される「上田宗箇 武将茶人の世界展」にて上田大海と共に展示予定。